(さゆり)
『SAYURI』(サユリ、Memoirs of a Geisha)は、2005年のアメリカ映画。1997年にアメリカ合衆国で出版されたアメリカ人作家のアーサー・ゴールデンによる小説『さゆり』を原作とした作品である。
監督はロブ・マーシャル、主演はチャン・ツィイー。第二次世界大戦前後にかけて京都で活躍した芸者の話である。第78回アカデミー賞で6部門ノミネートされ、撮影賞・美術賞・衣裳デザイン賞の3部門で受賞した(この年の最多受賞タイ)。
1929年、世界恐慌の折、貧しい漁村の9歳の少女、千代が京都・祇園を模した架空の町の花街の置屋に売られ、厳しい生活の中で人気芸者に成長していく姿を描いている。第二次世界大戦へ向けて戦時色が強まってゆく日本を背景に、戦争、敗戦といった社会の変化によって影響される人生を表現している。
※()内は日本語吹替え
キャスティングは奈良橋陽子が担当しているが、中心人物を日本人が演じていない。主演のチャン・ツィイーとコン・リーは中国人、ミシェル・ヨーはマレーシア人である。
日本ではSAYURIの描く日本や日本人が演じないことへの批判があり、中国では従軍慰安婦を思わせるという批判が高まり、混乱を警戒した政府によって上映中止となった。
映画中で描かれる花街などの文化にも、特に日本において公開当初から疑問の声が多数上がった。代表的なものとして、以下が挙げられた。
この映画のプロモーションで東京を訪れたチャン・ツィイーは、かつて芸者をしていた年配の日本人女性から包みと手紙を受け取った。手紙には彼女が映画の予告編を見て、彼女と彼女の友人に古き良き思い出を思い出させてくれることを期待しているということが書かれていた。包みの中には非常に優美な着物が入っていた。チャン・ツィイーはとても感動し、涙を流し、この女性に上映初日の招待状を送った。さらに彼女への感謝の意を表すために、このうちの一着を着ることを約束した(The Star Onlineより)。