(ももいのぞみ)
桃井 望 (ももい のぞみ、1978年(昭和53年)9月23日 - 2002年(平成14年)10月12日)は、日本のAV女優。元ウィナーズアソシエーション所属。愛称はノン。
AV女優としてのプロフィールには「1978年9月23日生まれ、東京都出身」と発表していた。しかし、実際は長野県伊那市の出身で、18歳の高校卒業までは地元で育ち、その後に東京の短大に進学した際に実家の家族も埼玉県に転居している。中学・高校時代はバスケットボール部に所属していた。短大では食物栄養の勉強をして栄養士の資格を取得。卒業後は都内の専門学校を経て病院の食事を作る仕事に就いていた。その後、AV女優にスカウトされてデビュー。ロリータ系として人気を得て、非ビデ倫系を中心に200本以上のAVに出演。舞台女優としても活動していた。同じ所属事務所の堤さやかと出演した作品が多数ある。
2002年10月12日夜、長野県塩尻市広丘郷原の奈良井川河川敷にて、乗用車が炎上しているとの通報があり、消防の出動などにより間もなく鎮火したものの、灯油をかけて燃やされた車内外から男女の遺体が発見され、このうち女性の方が桃井望であることが判明した。発見当時の桃井の遺体は車から10メートルほど離れた草むらの地面で火の手をあげており、髪や眉はなく着衣は焼けて性別の見分けが付かないほどのほとんど真っ黒な状態だった。
焼損の激しさ及び消火活動によって現場近くが踏み荒らされ、検証は困難であったが、彼女の死因が数か所におよぶ刺傷によるものであったことから、男性による無理心中・殺人の両方が考えられる。心中とすると下記の点が矛盾している。
また、長野県警察が最初に事件を「無理心中」と判断し、男性の遺族にその旨を告げていたことが遺族の発言によって明らかになった。
同年11月、男性の両親は「無理心中は考えられない」として被疑者不詳のまま殺人罪で告訴し、翌年1月に受理された。同年4月には男性の友人が中心となって集めた、殺人事件としての捜査を求める約1万人分の署名が、当時の長野県知事であった田中康夫に手渡されている。県警に捜査本部設置を求める行政訴訟は、却下された。
男性が契約していた保険会社は「支払い責任開始から2年以内の自殺 (心中)だから支払い義務はない」と保険金支払いを拒否したので、男性の両親は「何者かに殺害された」として2003年12月に民事訴訟を起こし、保険会社に支払いを求めた。
2007年1月23日、長野地方裁判所飯田支部は「周囲の状況から見て、複数犯であれば殺害可能であり、第三者による他殺」と認定し、保険金の支払いを命じた。民事裁判にて「他殺」と認定されたかたちである。民事裁判では刑事裁判にくらべて事実認定は非常にゆるやかであり、刑事裁判の方が厳密とされるが、本件では警察の処分とは明確に異なる無理心中から他殺という判断がされている。
他多数出演