(いのうえあんり)
井上 あんり(いのうえあんり 1963年10月15日 - 1996年)は、日本の元女優、AV女優、元政党党首。
CMモデル出身。三船芸術学院に所属しながら女優を目指す。『なぜか、ドラキュラ』(日本テレビ)で初ヌードになり、その後、雑誌のグラビアなどの仕事を経て1985年3月11日、『ヴィーナスの水滴』でAVデビュー。当時、慶応義塾大学の通信学部に所属しており、女子大生AV女優のはしりと言われたが、1990年には単位不足で慶応を除籍となる。出演作品は疑似本番で通した。1988年にはストリッパーとしてもデビューする。
1991年には角川映画の時代劇『天と地と』(角川映画)の女騎馬隊役に抜擢される。
1994年9月、自らが党首となり「AVからも政治からもモザイクを無くそう」をスローガンに『AV(ABLE VOLUNTEER)新党』を結成、幹事長に林由美香と五十嵐ちえみ、有希蘭が名を連ね、現役AV女優20名を含む80名と共に参議院選挙比例区への出馬を目指した。奉仕活動の推進、憲法9条改定による軍備増強、消費税増税、青少年へのポルノ普及による性教育推進と性犯罪抑止などを公約として掲げていた。連絡先電話番号は当時アダルト情報番組にも使われていたダイヤルQ2の番号であり、その番号の書かれたプラカードを掲げて街頭に出るなど、派手なパフォーマンスを行なっており、写真週刊誌や深夜番組『トゥナイト2』(テレビ朝日)、ワイドショーなどのメディアでも取り上げられた。『タモリ倶楽部』(テレビ朝日)でも特集が組まれ、模擬政見放送が制作、放映された。しかし実際には政党として登録することはなく出馬はしなかった。
1994年、中野駅近くに同じAV女優の梶原恭子と共にスナックを経営する。
1996年、睡眠薬を常用して意識障害を起こし、自宅マンションのベランダから転落して死亡する。結婚はしていなかったがシングルマザーで五つになる男の子を育てていた。享年33。